森林鉄道風パイクの製作・1

 先日完成した、Oナロー(1/48・16.5mm)の森林鉄道風パイクについて紹介します。今回は、初めての技法など試しつつ、工作を楽しむことができました。

■ はじめに
 滝のある風景を以前からレイアウトに取り入れたいと思っていました。2017年にONMCのコーナーモジュールを製作した際、滝のある風景が候補に挙がったものの、運転会などへの持ち運びに適したサイズを考慮すると、落差(高さ)のある滝の製作は難しく、断念しました。
 その後しばらく、滝のことは忘れていたのですが、昨年(2019年)の軽便鉄道模型祭で拝見した、「四頓☆倶楽部」Aさんの立山砂防パイク、Sさんのコルクを断崖に見立てたパイクから着想を得たことが、今回のパイク製作につながりました。

 なお、このパイクは、3月21日(土)~22日(日)に開催される予定だった池袋鉄道模型芸術祭の、NARROW GAUGE JUNCTIONのブースにて展示する予定でしたが、残念ながら同イベントは中止となってしまいました。

■ プラン
 直径300㎜のベースに、半径110㎜のエンドレスを設けたもので、これまでにいくつか製作したパイクと同様の規格です。奥側半分弱をトンネルにしたり、手前に橋を設けるなど、以前に似たものがありました。
 今回、高さを大きく取り入れた点が、従前と大きく異なります。理由はいうまでもなく、落差のある滝を風景に取り入れたかったからです。全体の高さは約550㎜、線路面までは約160㎜。滝の落差は約430㎜、実物に換算すると20mほどです。このサイズであれば、持ち運びも苦ではありません。

 滝のある風景が主題ですが、昨年の暮れに製作したアルモデルの木曽酒井モーターカー(1/48・16.5mm)用に、森林鉄道風のレイアウトが欲しいなぁ、と思ったことも今回のパイク製作の動機です。初夏のどこかの山岳地帯、深山幽谷に敷かれた線路のイメージです。手前の橋は、簡素なコンクリート橋としました。

■ 台枠の製作
 厚さ4mmのベニヤ板から切り出した直径300㎜の円盤をベースに、同ベニヤから切りだしたパーツで地形の骨組みを作ります。
b_200506a.jpg
 前述の通り、線路面までの高さは約160mmです。コンクリート橋の橋桁も、ベニヤを骨組みにします。
b_200506b.jpg
 橋の下の、沢の部分の地形の基礎も、ベニヤを箱状に組んで整えておきます。
b_200506c.jpg
 線路は、ボール紙の道床にヒノキの角材の枕木を接着し、後にコード83のレールをスパイクします。
b_200506d.jpg
■ 断崖の製作(1)
 ベース中央の滝つぼから、垂直に聳え立つ断崖の岩肌は、適当な大きさに砕いたスタイロフォールのブロックを積み上げ、隙間や表面を石粉粘土(100均で購入)で成形し表現します。
b_200506e.jpg
 地層の傾きや、水が流れるルートなど、完成イメージを念頭に、ブロックを重ねてい行きます。
b_200506f.jpg
 裏側からは、ヒノキの角材とボール紙で支えています。
b_200506h.jpg
 スタイロフォームのテクスチャを所々残しつつ、石粉粘土で表面を整えます。粘土の乾燥を待つ間に、線路回りも整えます。
b_200506g.jpg
■ 断崖の製作(2)
 岩肌を塗装します。まず、全体をアクリルガッシュで黒褐色に塗ります。写真だと黒に見えますが、一応褐色です。地面や岩肌、コンクリート等の塗装は、人それぞれやり方があるかと思いますが、私は黒褐色やダークグレーなど暗い色で塗りつぶしてから、明るい色を塗り重ねて行きます。
b_200506i.jpg
 アクリルガッシュで、明るい灰褐色(デッキタンとかバフみたいな色調)を調色して、様子を見ながら薄く塗り重ねてゆきます。
b_200506j.jpg
 水が流れ落ちる部分は黒っぽくし、KATOウォーターシステムシリーズの「さざ波」(ジェル状の水用情景素材)を塗布しておきます。
b_200506k.jpg
 滝つぼや沢の底には粒の荒い砂を撒き、水溶きボンドで固着します。後にレジンを流し込みますが、水底に広がる波紋や陰影を軽く描き込んでおきます。
b_200506l.jpg
■ 滝の製作(1)
 前述したAさんの立山砂防のレイアウトでは、水量の多いダイナミックな流れの滝が、見事に表現されています。一方、私がイメージした情景は、茂った木々の間を、白い帯のように流れ落ちる滝であり、同じ技法ではなく、別の方法を試してみました。

 まず、思い付きで試してみたことがあります。滝の本流ではなく、岩肌を伝って、ツーっと糸のように流れ落ちる水の流れを透明プラ板で表現してみました。透明プラ板にカッターで切れ目を入れて・・・。
b_200506m.jpg
 熱して伸ばし・・・(火気注意)。
b_200506n.jpg
 適当な長さに切断して・・・。
b_200506o.jpg
 水が流れ落ちる部分に、接着しておきます。「さざ波」を接着剤として使います。渇水期であれば、これだけでもいいかも。
b_200506p.jpg
■ 滝の製作(2)
 滝のメインの流れは、KATOウォーターシステムシリーズの「大波小波」(ジェル状の水用情景素材・「さざ波」より粘度が高い)で作ります。作り方は、同製品の使用方法にも記載されていますが、以下の通り(製作中の写真がありません。すみません)。
 ・プラ板などに「大波小波」を塗布する(収縮するので長めに)。
 ・乾燥後ゆっくりとはがし、「大波小波」を接着剤として必要な場所に接着する。

 「大波小波」で作った水の流れを接着しました。途中の岩に当たり、向かって左側にすこしずつ流れの軸をずらしながら、3段階になっています。
b_200506q.jpg
b_200506r.jpg
b_200506s.jpg
 透明プラバンの細い流れを、さらに加えました。岩に当たっている部分の水しぶきなどは、後程追加します(次回紹介)。
b_200506t.jpg
 今回の滝の製作方法については、試行錯誤の中間結果報告と思ってください。まだまだ研究の余地がありますね。また作る機会があれば、今回の経験を活かすことができると思います。

 次回は、コンクリート橋や樹木の製作、レジンの流し込みなどについて、です。あと2回で終わる予定です。
つづく

この記事へのコメント